本記事で紹介する商品・サービスは、当社が導入のご相談を承っているものです。
いいトレーナーがいて、マシンもそろっている。それでも、駅の反対側にできた新しいジムと何が違うのか、会員さんにうまく伝えきれない。
パーソナルジムの差別化は、どうしても「トレーニングの中身」の勝負になりがちです。この記事では、そこから一歩離れて、トレーニングの後の「休む時間」をジムの価値にする考え方を紹介します。
リカバリーブースの置き方から、プレミアム会員としての料金の組み方、会員さんが自分の状態を数字で見る仕組みまで、順に見ていきます。
リカバリーブースとは:トレーニングの後の時間をジムの中に用意する設備
リカバリーブースとは、トレーニングを終えた会員さんが、ジムの中でそのまま横になって休めるように用意したスペースのことです。
今のパーソナルジムでは、セッションが終わると、会員さんはシャワーを浴びてすぐに帰るのが普通です。しっかり動いて、そのまま電車に乗る。ジムで過ごす時間は、トレーニングの時間とほぼ同じです。
リカバリーブースは、その流れに「休む」という一区切りを足します。図1のように、受付、トレーニング、リカバリー、帰る、の順になるイメージです。
- 1受付今日のメニューを確かめる
- 2トレーニングトレーナーとのセッション
- 3リカバリーブースで15分ほど横になる
- 4帰る次の予約を入れてから帰る
この一区切りを、欲しいと思っている人は少なくありません。厚生労働省の「令和6年国民健康・栄養調査」(2025年)では、20〜59歳で「睡眠で休養がとれている」と答えた人は73.0%でした。
裏を返すと、働く世代の4人に1人余りは、休養が足りていないと感じています。ジムの中に休む時間があることは、そういう会員さんにとって、通う理由の一つになり得ます。
ブースといっても、大きな工事は要りません。更衣室の前の一角や、使っていない時間の多いストレッチスペースを、カーテンで区切ってベッドを1台置く。それくらいの広さから始められます。
パーソナルジムの差別化の軸は4つ:設備・人・ターゲット・料金
隣の駅にも、似たジムがある。トレーナーの指導の質の他に「見せられる違い」が少ない。そう感じている経営者の方は、少なくないはずです。
ターゲットを絞る。トレーナーの経歴を前に出す。新しい運動のメニューを入れる。どれも大切な工夫です。ただ、隣のジムも同じことができてしまいます。
しかも、指導の質は、実際に通ってみるまで会員さんには見えにくい。ホームページで「丁寧な指導」と書いても、どのジムも同じことを書いているように見えます。
そこで、差別化の軸を4つに分けて、同じ物差しで並べてみます。見るのは2つ。他のジムが同じ手を打つまでの早さと、会員さんが価値を感じる時点です。
| 軸 | 例 | 他のジムが同じ手を打つまで | 会員さんが価値を感じる時点 |
|---|---|---|---|
| 料金 | 月額・回数券の安さ | 早い(値段はすぐ合わせられる) | 入会を決めるとき |
| ターゲット | 年代や目的を絞る | 早い(打ち出し方を変えればできる) | 入会を決めるとき |
| 人 | トレーナーの経歴・指導の方法 | 遅い(育てるのに時間がかかる) | しばらく通ってから |
| 設備 | マシン・広さ・休む場所 | 早い(買えばそろう) | 来館のたびに、体で感じる |
料金とターゲットは、入会のときには効きます。でも、通い始めた後の毎回の来館では、会員さんの目には触れにくい。人の軸は強いものの、価値が伝わるのは通ってしばらくしてからです。
ターゲットの軸を考えるなら、見ておきたい数字があります。厚生労働省の「令和6年国民健康・栄養調査」(2025年)では、20歳以上で運動習慣のある人は34.6%で、男女とも30〜40歳代で低くなっています。
スポーツ庁の「令和7年度スポーツの実施状況等に関する世論調査」(2026年)でも、20歳以上の週1日以上のスポーツ実施率は51.7%で、20代〜50代の働き盛りの世代で低い傾向が続いています。
| 見るところ | 数字 | 併せて見たいこと |
|---|---|---|
| 運動習慣のある人(20歳以上) | 34.6% | 男女とも30〜40歳代で低い |
| 週1日以上のスポーツ実施率(20歳以上) | 51.7% | 20代〜50代で低い傾向 |
| 睡眠で休養がとれている(20〜59歳) | 73.0% | 60歳以上は86.1% |
絞り込みたい働き盛りの層は、もともと運動する習慣を持つ人が少ない層です。だから、トレーニングの他に「休みに来る」理由も一つ用意しておくと、来館のきっかけが増えます。
リカバリーは、このうち設備の軸に入ります。ブースそのものは買えばそろうので、置くだけではまねされます。
違いが出るのは、休む時間をトレーニングとどうつなぐか。休む15分と、自分の状態を数字で見る時間を、毎回の来館の流れに組み込む。そうすれば、会員さんは来るたびに、トレーニングの中身とは別の物差しでジムの違いを感じられます。
リカバリーを追加料金の「プレミアム会員」サブスクにする考え方
リカバリーの時間は、普通の会員プランに追加料金を乗せた「プレミアム会員」として、月額のサブスクにする形がわかりやすいでしょう。
会員さんから見ると、違いはシンプルです。普通の会員はトレーニングだけ。プレミアム会員は、トレーニングの後にリカバリーブースを使えて、その前後の数字も見られる。
料金の目安は、図4のとおり想定例で示しています(実際の金額は、ジムの立地や会員さんの層に合わせて決めます)。
| 普通の会員 | プレミアム会員 | |
|---|---|---|
| トレーニング | ○ | ○ |
| トレーニング後のリカバリーブース | - | ○(毎回15分ほど) |
| 前後の状態を数字で見る | - | ○ |
| 月額 | 今のプランのまま | +3,000円〜(想定例) |
図4のように、料金を上げる理由が「追加の時間」としてはっきり見えるのがポイントです。値上げではなく、選べる上のプランを一つ足す、という見せ方になります。
今の会員さんへの伝え方にも気を付けたいところです。普通の会員プランの中身はそのまま残し、「もう一つ上のプランも選べるようになりました」と知らせる。そうすれば、今のプランに満足している人に、損をしたような気持ちをさせずに済みます。
プレミアム会員にするかどうかは、会員さん自身が決めます。月に何回通うか、仕事が忙しい時期かどうか。その人の暮らしに合わせて、上のプランと行き来できるようにしておくと、選びやすくなります。
値下げで差別化しない理由
差別化に迷ったとき、一番手が早いのは料金を下げることです。ただ、図2のとおり、料金は他のジムもすぐに合わせられる軸。隣が下げれば、また横並びに戻ります。
しかも、一度下げた料金は元に戻しにくい。後から上げるお知らせは、今の会員さんにとって「損をした」と感じるきっかけになりやすいからです。
パーソナルジムの売上は、トレーナーがセッションにつける時間で上限が決まります。1回の料金を下げて同じ売上を保つには、セッションの数を増やすしかない。でも、人気の時間帯の枠は、もう埋まっていることが多いはずです。
そこで、料金の軸で勝負するのをやめます。普通のプランはそのままに、「整える時間」という中身を乗せた上のプランを1つ足す。料金を下げるのではなく、選べる幅を広げる考え方です。
順番で言えば、下げないと決める、乗せる中身を決める、上のプランとして案内する、の3つ。中身が決まれば、会員さんにも料金の理由を一言で伝えられます。
会員が自分の数字を見て、その日のトレーニングの強さを決められる
会員さんが「今日はしっかりやる」「今日は軽めにする」を、自分の数字を見て決められるようになります。
自律神経はクルマのアクセルとブレーキ、脳の覚醒度はバッテリーの残りのようなもの。どちらも「今日はしっかりやるか、軽めにするか」を決めるときの目安になります。
MindScale(マインドスケール)は、決まった文を読み上げた音声と簡単な質問を解析し、約30秒でこの2つ、つまり自律神経のバランスと脳の覚醒度を数字にするサービスです。使うのは手持ちのスマホやPCのブラウザだけ。専用の機械は要りません。
- 1トレーニングの前スマホで決まった文を読み上げる(約30秒で測定)
- 2トレーニング・リカバリーセッションと、ブースで休む時間
- 3帰る前もう一度、決まった文を読み上げる
- 4本人が見る前と後の数字を、会員さんが自分の画面で並べて見る
図5のように前後で測ると、数字は会員さんにとって「休むための根拠」にもなります。頑張りすぎる人ほど、気合で予定を詰め込みがち。数字があれば、次の予約を無理のない日に入れる、という判断もしやすくなります。
数字は、よい・悪いを決めつけるためのものではありません。昨日はよく眠れた、今週は残業が続いた。そんな日々の違いが、会員さん自身の目に見えるようになる。トレーナーとの会話のきっかけにもなります。
トレーナーが数字を見る場合は、会員さん本人の同意をいただくことが前提です。
MindScaleは医療機器ではなく、そのときの状態を数字で見るためのサービスです。
声から状態を数字にする仕組みは、MindScaleのページで詳しく紹介しています。
たとえば、平日の夜。トレーニングを終えた会員さんが、更衣室の前にあるリカバリーブースで15分横になる。その前と後にスマホの文章を朗読し、今日の自分の状態を数字で見る。そして次の予約を、無理のない日に自分で入れる。
その結果、ジムには「鍛える時間」と「整える時間」の両方を売る、会員さんが通い続ける理由が一つ増えます。
DENBAとMindScaleの掛け合わせで、ジムができること
当社が導入のご相談を承っているDENBA(デンバ)とMindScaleを掛け合わせると、パーソナルジムなら「トレーニングの後に休む場所」と「自分の状態を数字で見る時間」をセットにしたプレミアム会員が作れます。
DENBAは、もとは食品の鮮度を保つために生まれた、空間電場の技術です。その技術をヘルスケアの分野に広げたもので、空間電場によって室内の水分環境や空間コンディションを整えます。
- 健康経営に取り組む企業やプロスポーツチームなど、100社以上で導入されています。
- 東京大学大学院とDENBA JAPANなどの共同研究で、一部の微弱電場が自律神経の活動を高める可能性が確認されています(決まった実験の条件のもとで測った値です)。
- DENBAの技術は、世界49カ国で特許を取っています。
- MindScaleは、福井医療大学の塩見格一教授が開発した声の解析をもとにしています。
効果には個人差があります。ペースメーカー等の植込み型医療機器をご使用の方は、ご利用前に主治医にご相談ください。
ジムでの使い方は、ブースのベッドの下にマットを敷くだけ。トレーナーが次のセッションに入っている間、会員さんの休む時間はブースの設備が受け持ちます。
会員さんは、運動の後に整えられた空間で横になり、その前後の数字を自分で見て帰る。ジムにとっては、トレーナーの手を増やさずに足せる上のプランになります。
当社はこれらの商品を作っている会社ではありません。ジムの様子を伺い、提供元へおつなぎする立場です。
DENBA
休む場所の空間を整える
ブースのベッドの下にマット
MindScale
今の状態を数字で見る
トレーニングの前後に約30秒
掛け合わせると「休む+数字を見る」プレミアム会員に
この組み方が向いているのは、たとえばこんなジムです。更衣室の前など、横になれる場所を1か所作れる。トレーニングの後、すぐに帰る会員さんが多い。料金以外の理由で選ばれたい。
逆に、横になる場所をどうしても作れないジムには、まだ早いかもしれません。
ジム・スポーツ施設での詳しい掛け合わせ例は、スポーツクラブ・フィットネス業界向けのページにまとめています。
導入の前にジムで決めておくこと
決めておきたいのは、ブースの場所、時間の枠、誰に案内するか、の3つです。図7を、自ジムの数字で埋めてみてください。
| 決めること | 自ジムで確かめること | 初めの目安 |
|---|---|---|
| ブースの場所 | トレーニングのエリアから近く、静かなところはあるか | 更衣室に向かう途中の一角 |
| 時間の枠 | 予約が集まる平日の夜に、何人まで使えるか | 1回15分ほど |
| 誰に案内するか | 休む時間に価値を感じてもらえそうな会員さんは誰か | 週2回以上の人、仕事帰りの人 |
場所は、トレーニングのエリアから近く、音や人の出入りが少ないところが向いています。更衣室に向かう途中にあれば、会員さんの動きを変えずに済みます。
時間の枠は、15分くらいを1回の目安にすると、次のセッションの会員さんとぶつかりにくくなります。予約が集まる平日の夜に、何人まで使えるかも数えておきましょう。
案内する相手は、いきなり全員でなくても構いません。たとえば週に2回以上通っている会員さんや、仕事帰りに来る会員さんなど、休む時間に価値を感じてもらえそうな人から声を掛ける。そのほうが、使い方の声も集めやすくなります。
初めの1か月は、使った会員さんに「どの時間帯なら使いやすいか」「15分は長いか短いか」を一言ずつ聞いてみてください。ブースの置き場所や時間の枠は、その声を基に少しずつ直していけば十分です。
案内の言葉は、「トレーニングの後、整えた空間で横になって休める時間です」くらいで十分です。体がどう変わるかを言い切るより、どんな時間なのかを伝えるほうが、会員さんには真っすぐ届きます。
出典:https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001603146.pdf
出典:https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/houdou/jsa_00234.html
表が埋まったら、後は自ジムの会員数とメニューに合わせて組むだけです。
トレーニングの後の『休む時間』を、会員が通い続ける理由にしたいジム経営者の方へ
今の会員数とメニューを伺い、DENBAとMindScaleの掛け合わせ方を一緒に考えます
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