福利厚生と健康経営

健康経営で睡眠と休息に取り組むには|従業員が使える休息の環境づくり

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本記事で紹介する商品・サービスは、当社が導入のご相談を承っているものです。

睡眠のセミナーを開いた。睡眠アプリも配った。それでも、昼過ぎの会議で目をこすっている人は、あまり変わらない。

健康経営で睡眠に取り組もうとすると、こうした手応えのなさにぶつかることがあります。この記事では、睡眠と休息を健康経営の取り組みに入れるときの考え方と、職場の休憩室に「休める環境」を後から足す方法をまとめます。

健康経営で睡眠と休息を取り上げる理由

まずは、国が示している目安から見ていきましょう。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2024年)は、大人は6時間以上を目安に睡眠時間を確保し、寝室の睡眠環境などを見直して「睡眠休養感」を高めることを勧めています。

ところが、厚生労働省の「令和6年国民健康・栄養調査」(2025年)では、1日の平均睡眠時間が6時間以上9時間未満(60歳以上は8時間未満)の人は56.0%にとどまります。健康日本21(第三次)の目標は60%なので、まだ届いていません。

同じ調査(厚生労働省、2025年)で、20歳以上の男性では、睡眠が6時間未満の人が36.2%います。

図1目安は6時間以上。6〜9時間の人は56.0%
見るところ数字
大人の睡眠時間の目安6時間以上
1日の睡眠が6時間以上9時間未満の人(60歳以上は8時間未満)56.0%(国の目標は60%)
睡眠が6時間未満の男性(20歳以上)36.2%

社内でこの数字を使うときは、「あなたは寝ていない」ではなく、「目安に届かない人が、これだけいる」という言い方にしてみてください。誰かを責めるような話になりにくく、取り組みの説明として受け取ってもらいやすくなります。

ガイドは、一人一人に向けたものです。ただ、職場の休憩室も、働く人が1日のうちに過ごす場所の一つ。当社は、その休憩室の環境づくりも、睡眠の取り組みに入ると考えています。

睡眠や休息は、従業員一人一人の時間の中にあります。会社がじかに触りにくいからこそ、会社にできるのは「使える環境」を用意することです。

よく見かける睡眠の取り組みは、セミナー、アプリ、計測のデバイス、睡眠のプログラムなどです。どれも大切ですが、どれにも言えるのは「従業員に行動を変えてもらう」施策だという点。忙しい時期ほど、行動を変える余裕はなくなります。

そこで、取り組みを図2のように「知る・休む・使う」の3つに分けてみます。

図2睡眠・休息の取り組みは「知る・休む・使う」の3つに分けられる

知る

中身
自分の今の状態に気づく
誰が動くか
本人が、自分の数字を見る

休む

中身
働く時間の中で、休める場所を使う
誰が動くか
会社が場所をそろえ、本人が使う

使う

中身
仕事の後や休日に、健康づくりのメニューを選ぶ
誰が動くか
会社が福利厚生を用意し、本人が選ぶ

セミナーやアプリは、主に「知る」の部分です。そこに「休む」と「使う」を足すと、従業員が行動を大きく変えなくても、普段の1日の中で取り組みに触れられるようになります。

取り組みの例を並べると、図3のようになります。

図33つとも、昼休みや仕事帰りなど、普段の1日の中で使える
取り組みの例中身従業員にとっての使い方
休息の環境社内に休養室・仮眠スペースを用意する昼休みや残業の後に横になる
状態を数字で見る文章の朗読で、今の調子を数字にしてみる出社の前や午後に文章を朗読して、約30秒で自分の数字を見る
生活の福利厚生スポーツ・ビューティーなどを会員価格で選べる仕事帰りや休日に、自分で選んで使う

プレゼンティーズムとは:睡眠不足などで、出社していても生産性を出しきれない状態

プレゼンティーズムとは、会社には来ているのに、体調や心の状態のせいで本来の力を出しきれていない状態のことです。

休んでいるわけではないので、周りからは見えにくい。睡眠不足のまま朝の会議に出る。午後になると頭が回らない。こうした日が続くと、本人も「こんなものだ」と思い込んでしまいがちです。

会社の数字とのつながりを示す資料もあります。経済産業省の「これからの健康経営について」(2025年)には、大学による分析の結果が載っています。

健康経営度調査の項目のうち「睡眠により十分な休養が取れている人の割合」などの、社員の健康に関わる項目と、会社の利益との間に関連がある、という結果です(経済産業省、2025年)。

ここでいう「関連がある」は、一緒に動く、という意味です。睡眠に取り組めば利益が上がる、とまでは言っていません。それでも、社内で「なぜ睡眠なのか」を話すときの、一つの材料にはなります。

だからこそ、休息の取り組みは「休めという」より「休める場所と、休むきっかけを用意する」ほうが、現場にはなじみます。

たとえば、夜遅くまで続いた仕事の後。帰りの電車でスマホを見ているうちに、また寝るのが遅くなる。わかっていても、なかなかやめられないものです。

そんなとき、昼のうちに15分でも横になれる場所が職場にあれば、それだけで1日の過ごし方が少し変わります。休むことを「我慢して取るもの」から「普通に使えるもの」にする。会社ができるのは、そのための場所とルールを用意することです。

「知る・休む・使う」を3つの福利厚生で掛け合わせる

当社が導入のご相談を承っているMindScale・DENBA・ウェルネスフレンドリークラブを掛け合わせると、「知る・休む・使う」を1つの取り組みとしてそろえられます。

たとえば、昼休みの後半。営業から戻った人が、社内の休養室で15分横になる。午後の打ち合わせの前に、スマホの文章を朗読して自分の状態を見て、今日は早めに上がろうと自分で決める。

その結果、会社には、『休養室が今月何回使われたか』『午後に30秒で確かめた人が何人いたか』のように、従業員が本当に使った記録として、社内に見せられる取り組みが残ります。

知る:MindScale(マインドスケール)

自律神経は、クルマのアクセルとブレーキに例えられます。動くモードと休むモード、その両方のバランスが大事です。

MindScaleは、決まった文を読み上げた音声と簡単な質問を解析し、約30秒で自律神経のバランスと脳の覚醒度を数字にします。スマホやPCのブラウザで使え、数字は従業員本人が見るのが基本です。

ストレスチェック制度とは別に、日々の気づきのために使える選択肢です。

法定のストレスチェックの代わりではありません。

休む:DENBA(デンバ)

DENBAは、もとは食品の鮮度を保つために生まれた、空間電場の技術です。その技術をヘルスケアの分野に広げたもので、空間電場によって室内の水分環境や空間コンディションを整えます。

社内の休養室や仮眠スペースのベッドの下にマットを敷くと、その周りの空間のコンディションを整えます。仮眠室を新しく作る工事は要りません。

  • 東京大学大学院とDENBA JAPANなどの共同研究で、一部の微弱電場が自律神経の活動を高める可能性が確認されています(決まった実験の条件のもとで測った値です)。
  • DENBAの技術は、世界49カ国で特許を取っています。
  • 法人向けの福利厚生プランが、健康経営に取り組む企業など100社以上で導入されています。
  • MindScaleは、福井医療大学の塩見格一教授が開発した声の解析をもとにしています。

効果には個人差があります。ペースメーカー等の植込み型医療機器をご使用の方は、ご利用前に主治医にご相談ください。

使う:ウェルネスフレンドリークラブ

仕事帰りや休日に会員価格で使える福利厚生のサービスで、詳しくは健康経営の始め方の記事で紹介しています。使える施設とメニューは、ウェルネスフレンドリークラブのページにまとめています。

図4知るはMindScale、休むはDENBA、使うはウェルネスフレンドリークラブが受け持つ

知る

MindScale

朗読で自分の数字

休む

DENBA

休養室の空間を整える

使う

ウェルネスフレンドリークラブ

仕事帰り・休日に使う

3つを掛け合わせて、睡眠と休息の取り組みに

図4のとおり、3つはそれぞれ受け持つ場面が違います。

当社はこれらの商品を作っている会社ではなく、会社の様子を伺い、提供元へおつなぎする立場です。

この取り組みが向いているのは、たとえばこんな会社です。休養室や仮眠スペースに使える部屋が1つある。従業員の健康の取り組みを「用意した」で終わらせたくない。個人のデータを会社が見ない形で始めたい。

逆に、休む場所も時間も取れない会社には、まだ早いかもしれません。そのときは、健康経営の始め方から、順に進めるほうが近道です。

詳しい掛け合わせ例は、従業員ウェルビーイングのページにまとめています。

睡眠と休息の取り組みの型:職場の形別に3つ

他の会社のやり方は、職場の形が違えば、うまくはまりません。そこで、事例の代わりに「型」を並べます。自社に近いものを図5から選んでください。

一番右の列は、その型で最初に数える数です。どれも、一人一人の数字を会社が見ずに数えられます。

初めの1か月は、この数を週に1回メモしておくだけで構いません。増えているか、減っているか。その動きがわかれば、次にどこを直すかが見えてきます。

図5自社に近い職場の形から、最初の一歩を選ぶ
型休む場所確かめる時点使う商品最初の一歩最初に測る指標
オフィス型休養室・仮眠スペース仕事の前や昼休みMindScale・DENBA休養室のベッドの下に、マットを敷く休養室を使った回数
現場・交代勤務型休憩室の仮眠ベッド出庫や作業の前DENBA・MindScale休みがばらばらな部署から試す仮眠ベッドを使った回数と、使った時間帯
対人職の合間型休憩室応対の合間MindScale合間の30秒を、一休みの目安にする30秒の測定を続けている人数

オフィス型

デスクワークの職場なら、社内の休養室や仮眠スペースに、休む場所を作る組み方があります。朝や昼休みに文章を朗読して自分の状態を見て、午後の前に15分横になるかを本人が決める。

声を数字にする仕組みは、MindScaleのページにあります。

現場・交代勤務型

運転や作業のある現場なら、休憩室の仮眠ベッドに、休む場所を作る組み方があります。出庫や作業の前に30秒で今の自分を確かめ、短い休みをそこで過ごす。

対人職の合間型

電話や窓口の応対が続く職場なら、その合間の30秒を使う組み方があります。本人が自分の状態を確かめ、一休みをいつ取るかを自分で選ぶ。休む場所が遠くても、始めやすい型です。

効果をどう測るか:会社が個人のデータを見ずに測る

休息の取り組みで迷いやすいのが、効果の測り方です。従業員の睡眠は、本人だけの時間。会社が一人一人の数字を覗くのは、避けたいところです。

そこで、会社が見るのは「用意した数」ではなく「使われた数」にします。休養室を作った、アプリを配った、で終わると、本当に休めているかはわかりません。使われた数なら、取り組みが職場になじんでいるかが見えます。

図6会社が見るのは「使われた数」。一人一人の数字は本人だけが見る
指標誰が見るか測り方
休養室を使った回数会社予約の表や、使った記録で数える
30秒の測定を続けている人数会社(人数だけ)続けている人の数だけを数える
一人一人の数字本人だけ本人が自分の画面で見る
満足度の問い本人が答え、会社はまとめて見る「休めたか」を短い問いで聞く

誰がどこまで見るかを、先に社内で伝えておくと、従業員も安心して使えます。

MindScaleは、法定のストレスチェックの代わりではありません。

健康経営優良法人を目指す場合

取り組む会社は、すでにこれだけあります。経済産業省の発表(2026年3月)では、大規模法人3,765法人、中小規模法人23,085法人が「健康経営優良法人2026」に認定されました。

取り組む会社が増えるほど、「何を用意したか」だけでは、他の会社との違いが見えにくくなります。そこで、先ほどの「使われた数」が生きてきます。

健康経営優良法人の認定は、一つの手立てで決まるものではありません。認定を目指すときも、社内で示しやすいのは「用意した数」より「使われた数」です。評価の項目は年ごとに見直されるので、その年の公式の案内と照らし合わせてください。

まず小さく始めるなら

いきなり会社全体で始めなくても構いません。まずは小規模なトライアルから、たとえば休養室1室と、一部の部署から始めると、無理がありません。

夜勤や交替勤務のある職場なら、休憩の時間がばらばらになりやすい部署から試すのも一つの手です。使った人に「どの時間帯に使ったか」「使いにくいところはないか」を聞いておくと、広げるときの判断の手掛かりになります。

初めのうちは、使う人が少なくても気にしなくて大丈夫です。「使っていい」と上司が声を掛ける。休養室の場所と使える時間を、社内のお知らせで1回流す。それだけで、使ってみようと思う人は増えていきます。

場所が1室あれば、試すことはできます。

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001603146.pdf

出典:https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/251017_kenkoukeieigaiyou_.pdf

出典:https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeiei_yuryouhouzin.html

型と測り方が決まれば、自社に合う組み方は選びやすくなります。

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