本記事で紹介する商品・サービスは、当社が導入のご相談を承っているものです。
ベッドは2台。予約は夕方から埋まっていく。スタッフの手は、もうこれ以上増やせない。
エステサロンの売上を伸ばしたいとき、ベッドの数と施術の時間には、どうしても上限があります。そうなると、手がかりになるのは1回当たりの客単価です。
この記事では、エステサロンが客単価を上げる3つの方法を整理し、その中でもオプションメニューに注目します。今の施術はそのままに、施術中の「空間」を変える、という差別化の考え方を紹介します。
エステサロンの客単価とは:計算の仕方と、1時間当たりで見る理由
客単価は、お客さま1人が1回の来店で払う金額のことです。式は、売上÷来店客数。
ベッドとスタッフの手に上限があるサロンでは、もう1つの見方を足します。1回の客単価を、施術にかかった時間で割る見方です。
客単価 ÷ 1回の施術の時間 = スタッフ1人の1時間当たりの売上
オプションで客単価が上がっても、その分施術が延びれば、1時間当たりはあまり変わりません。逆に、スタッフの時間を増やさずに足せるオプションなら、上がった分がそのまま1時間当たりの売上も伸ばします。
売上がスタッフの時間に縛られやすいサロンほど、この差は大きくなります。
ベッドが先に埋まるサロンは、割る時間を「ベッドが塞がる時間」に置き換えて、もう一度計算してください。
客単価 ÷ 1回にベッドが塞がる時間 = ベッド1台の1時間当たりの売上
施術の後に休むやり方は、ベッドの時間が10分ほど延びます。オプションの料金が、その10分で受けられたはずの売上を上回るか。混む時間帯は施術と同時に整えるやり方にする、と決めておけば、この心配は小さくなります。
仮の数字で計算した例です。客単価10,000円・施術90分なら、1時間当たりは約6,700円。施術の後に10分休むとベッドは100分塞がり、1時間当たりは6,000円に下がります。
そこに2,000円のオプションが乗れば、7,200円です。ご自分のサロンの数字を入れて、確かめてみてください。
ネットで見かけるエステの客単価の平均や目安は、多くが事業者ごとの調査や推計です。メニューの長さもベッドの数も違う店の平均は、そのままでは自店の物差しになりません。
目安にするなら、先月の自店の1時間当たりと、今月の1時間当たりを比べるほうが、手がかりになります。
相場と比べる前に、自店の1時間当たりを出しておくと、どのオプションを足すかがぶれにくくなります。
エステサロンで客単価アップを図る3つの方法
エステの客単価を上げる方法は、大きく3つです。メニューの単価を上げる、来店の回数を増やす、オプションを足す、の3つになります。
メニューの単価を上げるのは、一番真っすぐな方法です。ただ、同じ施術のまま料金だけ上げると、お客さまは理由を感じにくいものです。
来店の回数を増やすのは、回数券やコースで通ってもらう方法。続けてもらえるのはうれしい反面、1回ごとの施術はやはりスタッフの手で行います。
オプションを足すのは、いつものメニューに、お客さまが自分で選んで「もう一つ」を乗せてもらう方法です。図1のとおり、3つの中では、今のメニューを変えずに始めやすいのが特徴です。
| 方法 | やること | お客さまから見た理由 | スタッフの手 |
|---|---|---|---|
| メニューの単価を上げる | 今の施術の料金を見直す | 何が変わったのか見えにくい | 変わらない |
| 来店の回数を増やす | 回数券・コースを作る | 通うほどおトク | 来店のたびに使う |
| オプションを足す | いつものメニューに1つ乗せる | 自分で選んで足せる | オプションの中身次第 |
ただし、オプションにも落とし穴があります。中身がスタッフの手を使うものだと、結局は施術の時間が延びて、他の予約を押してしまう。この点は、この後詳しく見ます。
オプション・セット・物販の違い
セットメニューや物販も含めて、図2で比べてみます。
| 種類 | スタッフの手 | 追加の時間 | その場で選べるか | 在庫 |
|---|---|---|---|---|
| 手を使うオプション(パック・ヘッドマッサージなど) | 増える | 施術が延びる | 選べる | 材料次第 |
| セットメニュー | 増える(2つ分の施術) | 施術が延びる | 予約のときに選ぶ | なし |
| 物販(化粧品など) | 説明の手間が要る | 施術の外 | 選べる | あり |
| 休息のオプション(DENBA) | 増やさない | 施術と同じ時間(後に休むなら、ベッドだけ10分ほど) | 選べる | なし |
休息のオプションは、オプションの形を取りながら、スタッフの手も在庫も増やさない位置に入ります。
エステサロンの客単価が上がらない3つの原因
オプションを用意しても客単価が上がらないとき、原因はたいてい次の3つのどれかです。
1つ目は、売上がスタッフの時間に縛られていること。オプションのたびに施術が延びれば、1時間当たりは上がりません。
2つ目は、足すメニューの違いが、お客さまから見えないこと。いつものメニューと何が違うのかが伝わらなければ、数千円を足す理由になりません。
3つ目は、スタッフが勧めにくいこと。効能を言えないメニューは、どう案内すればいいかわからず、つい言いそびれる。押し売りのようで言い出しにくい、というスタッフの気持ちも、無理はありません。
3つ目は、言ってよい言葉を先に決めておけば、ぐっと軽くなります。「休息の時間」「空間を整える」のように、効能ではなく時間の中身を伝える言葉なら、どのスタッフでも迷わず案内できます。
もう一つ、勧める前に知っておきたい決まりがあります。消費者庁の特定商取引法ガイド(令和7年6月1日時点版)によると、期間が1か月を超え、金額が5万円を超えるエステのコース契約は、特定商取引法の「特定継続的役務」に当たります。
その場合、書面を受け取った日から8日以内ならクーリング・オフの対象になります(消費者庁、2025年)。
このとき、コースと一緒に販売する健康食品・化粧品・美顔器なども「関連商品」として扱われます(消費者庁の同じガイド、2025年)。
オプションをコースに組み込むときは、どこまでが対象になるかを、先に専門家と確かめておく。そうしておけば、スタッフも安心して案内できます。
| 原因 | 当てはまるか(こんな様子なら) | 見直すこと |
|---|---|---|
| 売上がスタッフの時間に縛られている | オプションのたびに施術が延びる | スタッフの手を使わないオプションを足す |
| 違いがお客さまに見えない | 「いつもと何が違うの」と聞かれる | 何の時間が足されるかを1行で書く |
| スタッフが勧めにくい | 案内する人と、しない人がいる | 言ってよい言葉を決めて受付に置く |
オプションメニューが選ばれる条件
選ばれるオプションには、2つの条件があります。お客さまが「足したい」と思える理由があること。そして、サロンの側でスタッフの手と時間を増やさずに出せることです。
お客さまの側の理由は、たいてい「時間の質」と「特別感」です。せっかく予約した自分のための時間を、もう少しだけいいものにしたい。その気持ちに合うオプションは、選ばれやすくなります。
たとえば、月に1回のご褒美として通っているお客さま。仕事の予定をやりくりして、やっと取れた自分のための時間です。その時間を「いつもより、ゆっくりできた」と感じて帰れるなら、数千円を足す理由になります。
仕事を持つ世代では、休養が足りていないと感じる人が4人に1人余りいます。厚生労働省の「令和6年国民健康・栄養調査」(2025年)によると、20〜59歳で「睡眠で休養がとれている」と答えた人は73.0%でした。
施術の間を、ただ横になるだけでなく「休む時間」として過ごしたい。そう思うお客さまがいる、という前提で、オプションを考えてみてください。
サロンの側の条件は、見落とされがちです。よくあるオプションのパックやヘッドマッサージ、美容液の導入は、どれもスタッフの手と時間を使います。
そこで、オプションを考えるときは、図4のチェック表で確かめてみてください。
| 確かめること | はい なら | いいえ なら |
|---|---|---|
| お客さまが「自分のための時間がよくなる」と感じられるか | 選ばれやすい | 説明を見直す |
| スタッフの手を使わずに出せるか | 予約を押さない | 時間あたりの売上が下がりやすい |
| 施術の時間を延ばさずに出せるか | ベッドの回転が変わらない | 次の予約とぶつかりやすい |
| 受付で一言で案内できるか | どのスタッフでも案内できる | 案内の言葉を決める |
4つとも「はい」になるオプションは、実はそれほど多くありません。次の見出しでは、その条件を満たしやすい「休息の時間」というオプションを見ていきます。
「休息の時間」を施術メニューの差別化にする
施術の後、ベッドの周りの空間ごと整えた中で、少しだけ休んでもらう。それをオプションにするのが、ここでいう「休息の時間」の差別化です。
ポイントは、施術の中身には手を付けないことです。フェイシャルもボディも、いつもどおり。その上で、お客さまが横になっているベッドの周りの空間を整える。だから、スタッフの手も施術の時間も増えません。
図5のように、使い方は2通りあります。施術の後に少しだけ長く横になってもらうやり方と、予約が詰まる日のための、施術と同時に整えるやり方です。
| 時間帯 | 施術と同時に整える | 施術の後に休む |
|---|---|---|
| 施術中 | いつもの施術をしながら、ベッドの周りの空間を整える | いつもの施術 |
| 施術の後 | そのまま着替えて帰る | 整えた空間で、少しだけ長く横になる |
| スタッフの手 | 増えない | 増えない(その間に片付けや次の準備ができる) |
| ベッドが空くまで | 変わらない | 休む分(たとえば10分)延びる |
施術の後に休むやり方なら、その間にスタッフは片付けや次の準備ができます。お客さまにとっては、急かされずに余韻の中で休める時間になります。
次の予約が詰まっている時間帯は、施術と同時に整えるやり方にしておく。そうすれば、予約がずれにくくなります。
どちらのやり方も、サロンの側で新しい技術を覚える必要はありません。今の施術の腕はそのままに、その周りの「時間」と「空間」に価値を乗せる。だから、隣のサロンと手技で比べられる勝負から、少し距離を置けます。
客室で休息の時間を売る組み方の例は、ホテル業界向けのページでも紹介しています。
空間の電位とは:電位治療器との違い
空間の電位とは、ベッドの下に敷いたマットの周りに弱い電場を作り、その空間のコンディションを整える仕組みのことです。体に何かを当てたり、電気を流したりはしません。
たとえ話から始めます。この技術は、もとは食品の鮮度を保つために生まれました。
肉や魚を凍らせると、中の水分が大きな氷の粒になって、溶かしたときに水分が染み出てしまう。空間の電場で水分子を細かく震わせると、氷の粒が大きくなりにくい。そうした食品の技術が基になっています。
この技術をヘルスケアの分野に広げたのが、次の見出しで紹介するDENBAです。マットを中心に、半径約1〜1.5mの空間が対象になります。
- 東京大学大学院とDENBA JAPANなどの共同研究で、一部の微弱電場が自律神経の活動を高める可能性が確認されています(決まった実験の条件のもとで測った値です)。
- DENBAの技術は、世界49カ国で特許を取っています。
- 医療機器ではない空間型のため、国家資格のないスタッフでも案内できます。
- 美容の業種でも、すでに導入の例があります。
効果には個人差があります。ペースメーカー等の植込み型医療機器をご使用の方は、ご利用前に主治医にご相談ください。
| 接触型(電位治療器) | 空間型(DENBA) | |
|---|---|---|
| 仕組み | 体に端子を当てて電気を流す | マットの周りの空間に弱い電場を作る |
| 体への接触 | あり | なし(触れない) |
| 区分 | 医療機器 | 医療機器ではない |
| 使う場面 | 端子に体が触れる状態で使う | 施術中や休む間、触れずに横になったまま |
図6のとおり、肌に端子を当てて電気を流す電位治療器は医療機器です。
いわゆる「電位ケア」と呼ばれることもありますが、空間型はそれとは別のもので、医療機器ではありません。
そのため、サロンでは肌や体調がどう変わるかを言うのではなく、「空間を整える」「休息の時間」という言い方で案内します。
DENBAでサロンができること
当社が導入のご相談を承っているDENBA(デンバ)なら、エステサロンで、施術ベッドの下にマットを敷き、施術の後にそのまま休む時間を整えるオプションが作れます。
たとえば、休日の午後。いつものフェイシャルを予約したお客さまが、受付でオプションを一つ選ぶ。施術が終わった後、ライトを落としたベッドで、10分だけそのまま横になってから着替える。
その結果、サロンにはスタッフの手を増やさずに足せるオプションが一つ増えます。料金の目安は、たとえば1回+2,000〜3,000円です(想定例です。実際の金額は、サロンのメニューや客層に合わせて決めます)。
メニュー表では、いつものメニューの下に「休息の時間をプラス」のような一行を足すだけで十分です。写真やイラストを大きく使うより、どんな時間なのかが一目でわかる短い言葉のほうが、受付でも選んでもらいやすくなります。
当社はDENBAを作っている会社ではありません。サロンの様子を伺い、提供元へおつなぎする立場です。
- 1開店〜昼予約の確認。オプションの案内文を受付に用意
- 2受付お客さまがオプションを一つ選ぶ
- 3施術いつもの施術。ベッドの周りの空間も整える
- 4施術の後ライトを落として、10分ほど横になって休む。その間に次の準備
- 5会計オプションの分、客単価が1回ごとに上がる
この使い方が向いているのは、たとえばこんなサロンです。施術ベッドの下にマットを置ける。施術の時間が長めのメニューがある。スタッフを増やさずに単価を上げたい。
逆に、効能で選ばれるメニューを求めるお客さまが中心のサロンには、まだ早いかもしれません。DENBAは、肌や体調がどう変わるかを言わずに案内するものだからです。
サロンでの詳しい掛け合わせ例は、鍼灸・整体・リラクゼーション業界向けのページ(リラクゼーションの節)にまとめています。
オプションメニューを始める前にサロンで決めること
決めておきたいのは、案内の言葉、ベッドの台数、時間の枠の3つです。
案内の言葉は、効能を言わないのが基本です。「施術の間、ベッドの周りの空間を整えて、休息の時間を作るオプションです」。これくらいで十分伝わります。肌がどうなる、体調がどうなる、という言い方はしないでおきましょう。
ベッドの台数は、全部のベッドに置くのか、1台だけ「オプション用」にするのかで、予約の組み方が変わります。初めは1台から始めて、選ばれ方を見て増やすやり方もあります。
時間の枠は、次の予約までの間に合わせて、施術の後に休む長さを決めます。
スタッフの間で、案内の言い方をそろえておくのも大切です。受付のメモに1行書いておくだけで、どのスタッフでも同じように案内できます。
始めてからは、1か月ほど、どのメニューのお客さまがオプションを選んだかを記録しておくと、次の手が見えてきます。フェイシャルのお客さまに多いのか、ボディのお客さまに多いのか。それがわかれば、案内のタイミングも絞れます。
出典:https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/continuousservices/
出典:https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001603146.pdf
数字とチェック表がそろえば、自店に合う使い方は絞りやすくなります。
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