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点呼も、運行の組み立ても、きちんと準備してきた。
それでも、ドライバーの睡眠不足をゼロにするのは難しい。荷待ちが延びた日、早朝の便が続いた週。運行の都合は、毎日きれいにはそろいません。
この記事では、会社の中で変えられる2つのことから、居眠り運転への手立てを考えます。
運送業の居眠り運転対策は「気づく」と「休む」の両方から
答えから書きます。居眠り運転に向き合う手立ては、ドライバー本人が疲れに気づくことと、しっかり休める場所があることのどちらもそろって、初めて形になります。
気づいても、休む場所がなければ、そのまま走るしかない。休む場所があっても、ドライバーが「まだ平気」と思っていれば、使われない。
だから、片方だけでは足りないのです。図1に、その2つを並べました。
どちらも、ドライバー一人の頑張りだけではそろいません。会社が、気づくための時間と、休むための場所を、あらかじめ用意しておくことが大事です。
運行の1日に沿った居眠り運転対策
「気づく」と「休む」は、運行の1日のどこに入るのか。タイミングごとに、ドライバー本人と運行管理者がすることを、図2にまとめました。
| タイミング | ドライバー本人がすること | 管理する人がすること | 使う仕組み |
|---|---|---|---|
| 出庫前(点呼の前) | スマホで文章を朗読し、自分のスコアを見てから申告する | いつもどおりの点呼で、申告を受ける | MindScale |
| 運行中 | 朝のスコアと体の感じから、休憩を足すかを自分で決める | 「休みを足したい」の連絡を受け、運行の組み直しを話し合う | 社内の決まり |
| 帰庫・休憩 | 休憩室のベッドで横になってから、帰りの運転に入る | 休憩室を、いつでも使えるようにしておく | DENBA |
| 翌日 | 前の日のスコアを見返し、よく休めた日との違いを知る | 本人の同意の下で、誰のスコアかわからない形のレポートで、営業所の傾向を見る | MindScale |
見てほしいのは、どのタイミングでも、まず決めるのはドライバー本人だということです。運行管理者は、その判断を受け止める側に回ります。
出庫前の30秒は、申告に向き合うための手掛かりです。走っている間の休みは、その手掛かりを基にドライバーが決める。休憩室は、決めた休みをきちんと取れる場所。翌日の見返しは、自分の疲れ方の癖を知る時間になります。
使い始める前に、運行管理者が決めておくのは2つです。「休みを足したい」の連絡を、誰が受けるか。休憩室を、誰がいつでも使えるようにしておくか。
この表は、点呼場に貼っておく掲示や、新しく入ったドライバーへの説明にも、そのまま使えます。
休む「時間」には、決まった枠があります。
厚生労働省の改善基準告示では、トラック運転者の1日の休息期間は、「継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、9時間を下回らない」ことが基準です(2024年4月1日から適用)。
図2は、この枠の中で、休みの中身をどう決めるかの表です。枠が守られていても、その間に本当に休めているかは、また別の話です。
居眠り運転が起きる原因:疲れが本人に隠れる仕組み
居眠り運転の原因というと、まず睡眠不足が浮かびます。厄介なのは、トラックドライバーの睡眠不足や疲れが、本人に隠れてしまうことです。
まじめな人ほど、「荷物を時間どおりに届けなきゃ」と気が張ります。早く終わらせたい、という焦りもある。そういうとき、人は疲れを感じにくくなることがあります。
提供元の説明では、この流れは次の3つの段階で語られています。
- 気が張る:責任感や焦りで、体も頭も頑張り続ける
- 疲れを感じにくくなる:たまっていても、本人は「まだ行ける」と思う
- 張りが緩んだときに表に出る:単調な道に入ったときなどに、隠れていた疲れが一気に出てくることがある
荷待ちで帰りが遅くなった次の朝でも、点呼では「大丈夫です」と答えてしまう。答えた本人も、うそをついているつもりはありません。
このずれは、ベテランでも起こり得ます。気持ちの強さや、慣れのせいではありません。だから、「疲れていたら言ってね」と本人に任せるだけでは、届かない場面が残ります。
国の数字にも、この様子は表れています。
国土交通省の資料「健康起因事故及び飲酒運転の防止に係る国土交通省の取組」(2026年2月)では、運転者の病気などで事業用自動車の運転を続けられなくなった事案の報告は、2024年に398件ありました。そのうち約33%が交通事故に至っています。
同じ資料では、2024年の報告のうち175件は、運転者が体調の悪さを自覚しながら運行を始めた、または続けたものでした。
これは居眠りだけの数ではなく、体調が原因の事案の数です。それでも、「おかしいな」と感じていても、止まれない日がある。そのことは、読み取れます。
だからこそ、休める段取りを、会社のほうで先に用意しておきたいのです。
ドライバーの感じ方だけに頼らず、申告の前に、自分のコンディションをスコアで見る。それが、次の節の30秒です。
居眠り運転を防ぐために、会社に求められていること
事故が起きると、その日のことだけでなく、普段の点呼や休みの組み方も、振り返られることがあります。ここでは、法令や国の資料で確かめられることだけを並べます。
一つ目は、点呼です。
貨物の運送事業者は、乗務前の点呼で運転者に「疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無」を確かめることが、法令で決められています(貨物自動車運送事業輸送安全規則 第7条)。
二つ目は、先ほどの休息期間の枠です。運行を組むときの、土台になります。
では、事故の後、会社は何を見直しているのか。
国土交通省の同じ資料では、体調が原因の事案の後に事業者が取った再発防止策は、「体調管理の周知・教育」326件が最も多く、「点呼の強化」137件が続きます。
多くの会社が、こうした事案の後に見直しているのは、体調の伝え方と点呼です。それなら、事故が起きる前から、この2つを見直しておくほうがいい。その一つが、次の節の、点呼の前の30秒です。
※事故のときの責任や罰則の扱いは、ケースごとに異なります。この記事は、法令の上での判断を示すものではありません。
点呼の前に、ドライバー本人が状態を数字で確かめる
ここで生きてくるのが、点呼の前の時間です。
乗務前点呼では、疾病・疲労・睡眠不足の状況について、ドライバー本人からの申告も確かめます(国土交通省「自動点呼機器認定要領」でも、この申告の結果を記録する機能が求められています)。
ただ、ドライバーが気づいていない疲れは、申告には表れにくいものです。だからこそ、申告の前に、本人が自分のコンディションをスコアで見る時間を置く。申告に、向き合いやすくするための30秒です。
- 1文章を朗読するスマホのブラウザで、決まった文を読み上げる
- 2スコアを見る自分のコンディションを、本人がその場で確かめる
- 3申告する確かめた上で、疲れや寝不足があるかを申告
- 4点呼いつもどおりの点呼を受ける
図3のとおり、点呼そのもののやり方は変わりません。足すのは、その手前の30秒だけです。
30秒なら、いつもの朝の流れを崩さずに足せます。ドライバーにとっても、「なんとなくだるい」を、自分の目で確かめられる時間になります。
スコアがあると、「今日は早めに休もう」と自分に言いやすくなる。それが、この30秒の一番の役割です。
会社がスコアを見るときのルール
会社が一人一人のスコアを見る使い方をするなら、本人の同意と社内ルールに基づいて行います。基本は、ドライバー本人が自分のために見ること。ここを先に決めておくと、現場も使いやすくなります。
スコアが低かった日に、どう休むかを決めるのも、まずはドライバーです。「今日は休みを足したい」と思ったら、運行管理者に一言伝えればいい。そんな決まりを、先に作っておきます。決まりがないと、気づいても運行はそのまま進んでしまいます。
始める前に、図4の4つを社内で確かめておきます。
| 確かめること | 守る内容 |
|---|---|
| 本人の同意 | 会社が一人一人のスコアを見るなら、先に本人の同意を取る |
| 社内ルール | 誰が、どのスコアを、何のために見るかを、社内の決まりとして書いておく |
| 申告との関係 | スコアは、申告の前に本人が見る手掛かり。スコアで申告の中身を決めつけない |
| 点呼の要件と結びつけない | スコアを、点呼の決まりの代わりにしない。点呼はいつもどおり行う |
※MindScaleは、点呼の要件を満たすものではありません。
休憩室を、落ち着いて横になれる場所にする
気づいた後に要るのが、休む場所です。
休憩の「時間」は、運行の中で見ています。でも、その時間を過ごす「場所」まで、目を向けられているでしょうか。落ち着いて横になれない部屋だと、休む時間はあっても、休みにくくなります。
DENBAは、もとは食品の鮮度を保つために生まれた技術です。空間に弱い電場を作り、水分子を細かく震わせる。
部屋では、空間電場によって室内の水分環境や空間コンディションを整えます。休む部屋のベッドに置けば、運行の合間の短い休憩でも、眠りの環境を整えることができます。
本来人が持っている休息のリズムをサポートする、という使い方です。
※効果には個人差があります。ペースメーカー等の植込み型医療機器をご使用の方は、ご利用前に主治医にご相談ください。
MindScaleとDENBAの掛け合わせで、運送会社ができること
当社が導入のご相談を承っているMindScale(マインドスケール)とDENBAを掛け合わせると、運送会社なら「点呼の前に気づき、休憩室で休む」という流れを、営業所の中に作れます。
たとえば、こんな1日です。
朝6時、点呼の前に、ドライバーがスマホの文章を朗読します。スコアを見て、今日は長い道のりの途中で、一度しっかり休憩を入れよう、と自分で決める。夕方に戻ったら、休む部屋のベッドで20分横になってから、帰りの運転に入ります。
その結果、貴社には、本人の同意の下で、営業所全体の傾向を、誰のスコアかわからない形にまとめたレポートで見て、朝早い便が続く週の組み方を見直す手掛かりが残ります。
MindScaleは、文章を朗読した音声と簡単な質問を解析し、約30秒で自律神経のバランスと脳の覚醒度をスコアにします。
自律神経はクルマのアクセルとブレーキ、脳の覚醒度はバッテリーの残りのようなもの。いわば「毎朝30秒のスピードメーター」です。特別な機械は要らず、手持ちのスマホのブラウザで測れます。
声で状態がわかる仕組み
MindScaleの声の解析は、福井医療大学・塩見格一教授の研究をもとにしています。提供元はプライバシーマークの認定事業者です。
DENBAは、東京大学大学院などとの共同研究で、一部の微弱電場が自律神経の活動を高める可能性が確認されている技術です(決まった実験の条件のもとで測った値です)。世界49カ国で特許を取得しています。
※MindScaleは医療機器ではなく、点呼の要件を満たす機器ではありません。居眠り運転や事故を防ぐことを保証するものではありません。
※DENBAの効果には個人差があります。ペースメーカー等の植込み型医療機器をご使用の方は、ご利用前に主治医にご相談ください。
点呼の前の「気づく」と、休憩室の「休む」。違う2つの商品を、営業所の1日に合わせて掛け合わせるご相談を、当社では承っています。
この掛け合わせが向いているのは、たとえばこんな事業者です。営業所に休憩室がある。点呼の前に数分の時間を取れる。ドライバーが自分で休むかを決める運行にしたい。
一方、ドライバーが乗務の前にスマホを使えない運用なら、まだ早いかもしれません。30秒をどこで取るかを、先に考えておく必要があります。
出典
1. 国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001894146.pdf (2026年9月24日に確かめた)
2. 厚生労働省 https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/truck/notice
3. 国土交通省(2026年) https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/resourse/data/seminar2026_1.pdf
4. e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/402M50000800022
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