職場のメンタルヘルスとストレスチェック

コールセンターのストレス対策|感情労働に応対の合間の30秒で向き合う

本記事で紹介する商品・サービスは、当社が導入のご相談を承っているものです。

声のトーンは明るいまま。でも、受話器を置いた瞬間に、ふっと肩が落ちる。

コールセンターの席では、そんな場面が1日に何度もあります。この記事では、オペレーターの負担に、現場で無理なく向き合う方法を考えます。

感情労働とは:自分の感情を調整し続ける仕事

感情労働とは、仕事として、自分の感情を調整しながら相手に向き合うことが求められる働き方のことです。

気持ちが波立っても、声には出さない。相手が怒っていても、落ち着いた言葉で返す。コールセンターの応対は、まさにこの形の仕事です。

そして、この負担は外からは見えにくいものです。電話の向こうのお客様にはもちろん、隣の席の同僚にも、なかなか伝わりません。

これは、オペレーターの能力が足りないから起こるのではありません。丁寧な応対を続けるほど、感情を調整する場面が増える。それが感情労働の性質です。図1に、1日の中で負担が重なりやすい場面を並べました。

図1感情を調整する負担は、1件ずつは小さくても、朝から夕方へと重なっていく
  1. 朝受電が立ち上がり、テンポを合わせる
  2. 昼前込み合う時間帯で、待ち呼が続く
  3. 午後クレーム対応が重なり、気持ちを立て直す回数が増える
  4. 夕方疲れがたまったまま、残りの応対に向き合う

オペレーターのストレスの主な原因

現場でよく言われる原因は、大きく4つです。どれも個人の弱さではなく、仕事の形から来るものです。

  1. 感情の調整が続く:応対のたびの調整は、1件ずつは小さくても、1日の中で重なります。
  2. クレーム対応が続く時間帯がある:図1の午後のように、立て直す前に次の電話が鳴ります。
  3. 休憩を自分で選びにくい:時刻がシフトで決まっていると、「今休みたい」ときに休めないことがあります。
  4. 疲れに自分で気づきにくい:気が張っている間は、疲れを感じにくいことがあります。

これは、コールセンターだけの話ではありません。

働く人全体で見ても、仕事で「強い不安、悩み、ストレス」を感じる事柄がある働き手は67.5%に上ります(厚生労働省「令和7(2025)年 労働安全衛生調査(実態調査)」、2026年8月公表)。

その中身として「顧客、取引先等からのクレーム」を挙げた人は22.1%で、前年の20.7%から増えています(同じ調査)。

厚生労働省「令和7年度 過労死等の労災補償状況」(2026年7月公表)では、2025年度に仕事のストレスによる精神障害で労災と認められたのは1,082件で、前年度より26件増えました。

そのうち、「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」ことが原因と認められたのは127件で、前年度の108件から増えています(同じ資料)。

お客様との応対の重さは、国の数字にも表れています。だからこそ、日頃の調子を、本人も管理者も知っておきたいのです。

原因ごとに、どこで向き合うかを並べたのが図2です。

図24つの原因のうち「疲れに自分で気づきにくい」には、場や仕組みは届きにくく、本人が確かめる手が残る
原因場(休憩室・シフト)仕組み(相談窓口)本人(自分の状態を確かめる)
感情の調整が続く席を離れて休める休憩室話せる窓口休みどきに、自分で気づく
クレーム対応が続く時間帯がある重い時間帯の後に休憩を入れやすいシフト対応の後に話せる先休憩を早めるか自分で決める
休憩を自分で選びにくい休憩に幅を持たせたシフト早めたいときの伝え方の決まりリーダーに一言伝える
疲れに自分で気づきにくい届きにくい届きにくい声で状態を数字にしてみる

4つ目の原因だけは、場と仕組みでは届きにくい。本人が気づく手立てが、別に要ります。

コールセンターのストレス対策は「場」と「本人」の両方から

対策は、場をつくることと、本人が自分の状態に気づくことの、両方から考えます。

休憩室やシフト、相談窓口は、場をつくるための打ち手です。ただ、場をどれだけ良くしても、「今が休みどきだ」と本人が気づけなければ、使うタイミングを逃してしまいます。

お客さまからの迷惑行為への備えは、会社の務めにもなりました。

2026年10月1日から、カスタマーハラスメントを防ぐための雇用管理上の措置が、全ての事業主の義務になりました(改正労働施策総合推進法。厚生労働省 大阪労働局の案内ページ、2026年)。

体制を作るのは、会社の仕事です。その上で、重い応対の後に本人がどう休むか。そこは、体制だけでは届きにくいところです。

※MindScaleを入れることで、この義務を満たせるわけではありません。

図2の「本人」の列は、年に1回のストレスチェックだけでは埋めにくいところです。日々の気づきをどう作るか。ここに目を向けます。

コールセンターのストレス解消法は「いつ休むか」が鍵

ストレス解消法というと、休日の過ごし方が思い浮かびます。

でも応対の現場では、勤務中のどのタイミングで休むかも同じくらい大切です。重い応対の後、すぐに次の電話を取るのか、少し間を置くのか。その判断を、本人ができるようにしておきたいところです。

オペレーターの疲れが、周りにも本人にも気づかれにくい理由

コールセンターでは、声の明るさも仕事のうちです。だから、疲れていても、声は明るいまま。隣の席の同僚も、なかなか気づけません。

本人も同じです。「お客様を待たせたくない」という責任感。「早く片付けたい」という焦り。気が張っている間は、人は疲れを感じにくくなることがあります。

この後紹介するMindScaleは、ここが違います。提供元の説明では、声のトーンや元気なふりの話し方では、数字が変わりにくい仕組みとされています。

だから、本人の感覚だけに頼らない「気づくための材料」として使えます。休むタイミングも、選びやすくなります。

ストレスが応対の質と、働き続けやすさに出るまで

疲れは、ある日突然応対に出るわけではありません。提供元の説明では、次のような流れで、少しずつ表れていくとされています。

図3疲れが応対に表れるまでの3段階では、1の段階で気づけるかが分かれ目になる
  1. 1疲れがたまる休みどきを逃し、回復しないまま応対が続く
  2. 2気持ちを落ち着けにくくなる普段なら流せることに、心が揺れやすくなる
  3. 3応対に出る言葉選びや声の調子に、余裕がなくなる

頭の中で、気持ちのブレーキが利きにくくなる。2の段階は、そんな状態です。

この流れが続けば、本人にとっては「この仕事を、このまま続けられるだろうか」という不安にもつながりかねません。応対の質と、働き続けやすさは、別々の話ではなく、同じ流れの上にあります。

だから、大事なのは1の段階です。ここで早めに気づくきっかけがあれば、休憩を早めるという小さな手で向き合えます。

応対の合間に30秒、オペレーター本人が状態を確かめる

当社が導入のご相談を承っているMindScale(マインドスケール)なら、オペレーター本人が、応対の合間に席で短い文章を朗読するだけで、約30秒で自分の状態を確かめ、休憩のタイミングを自分で選べるようになります。

たとえば、こんな場面です。

午後3時、クレーム対応が続いた後。オペレーターが席でヘッドセットを外し、スマホの文章を朗読します。数字を見て、次の休憩を10分早めよう、と自分で決めて休憩室に向かう。

その結果、貴社のセンターには、本人の同意の下で、チームごとの傾向を、誰の数字かわからない形で見て、休憩の時間帯の組み方を見直す材料が残ります。

センターが一人一人の数字を見る使い方をする場合は、オペレーター本人の同意と社内ルールに基づいて行います。

数字が低かった日に、どう休むかを決めるのは、まずオペレーター本人です。「次の休憩を早めたい」と思ったら、現場のリーダーに一言伝えればいい。そんな決まりを先に作っておくと、気づいた後に動きやすくなります。

仕組みは、こうです。

自律神経は、クルマのアクセルとブレーキのようなもの。脳の覚醒度は、バッテリーの残りのようなものです。MindScaleは、文章を朗読した音声と簡単な質問を解析し、約30秒でこの2つを数字にします。いわば「30秒のスピードメーター」です。

スマホやパソコンのブラウザで使えるので、特別な機械も要りません。データは、オペレーター本人が見ることを基本にします。会社向けには、チームごとの傾向をまとめるレポートもあります。

本人が気づきにくい疲れを、本人が数字で確かめる。この使い方は、職場の外にもあります。塾で生徒が自分の状態を数字で見る例は、塾の保護者対応の記事で紹介しています。

声で状態を数字にする仕組みを、詳しく見る

図4文章を朗読して数字を見たら、休憩を早めるかはオペレーター本人が決める
  1. 1朗読する応対の合間に、決まった文を読み上げる(約30秒で測定)
  2. 2数字を見る自律神経のバランスと脳の覚醒度を、本人が確かめる
  3. 3休憩を選ぶ次の休憩を早めるか、このまま続けるかを本人が決める

声で状態がわかる仕組み

MindScaleの声の解析は、福井医療大学・塩見格一教授の研究をもとにしています。

心の健康サービスを企業が選ぶための選択支援ツール「ウェルココ」(一般社団法人心の健康投資推進コンソーシアム運営)に、サービス提供事業者として参画しています。

東京都主催「UPGRADE with TOKYO」では審査員特別賞を受けています(2025年8月)。提供元はプライバシーマークの認定事業者です。

※MindScaleは医療機器ではありません。法定のストレスチェックの代わりではありません。

MindScaleが向いているのは、たとえばこんなセンターです。応対の合間に、席でスマホやパソコンを使える。休憩のタイミングに、ある程度の幅を持たせられる。オペレーター本人の判断を尊重したい。

一方、休憩の時刻が完全に決まっていて動かせないセンターには、まだ早いかもしれません。数字を見ても、休み方を選べないからです。

コールセンターでの掛け合わせ例を見る

まずは一部のチームから

始め方は、まずは小規模なトライアルからがお勧めです。

センター全体で一度に始めると、使い方がそろうまでに時間がかかります。1つのチームで試し、オペレーターがどんなタイミングで測るのが使いやすいかを確かめる。そこから広げるほうが、現場になじみます。

本人が休憩を選ぶ運用のチェック表

トライアルの前に、図5の5つをチームで決めておきます。

図5本人が休憩を選ぶ運用は、トライアルの前にこの5項目をチームで埋めておく
決めること決め方の例チームで書いておくこと
1. いつ測るか応対の合間(重い応対のあと等)測ってよい時間帯
2. 数字を誰が見るか本人が基本。会社が見るなら本人の同意と社内ルールで同意の取り方、見る人
3. 休憩を早める判断を誰がするかオペレーター本人リーダーへの伝え方
4. シフトとの調整を誰がするか現場のリーダー早めた分の調整先
5. 法定のストレスチェックとの関係別のもの。法定の制度は続ける社内に説明するときの一文

しばらく試したら、測った回数と、休憩を早めた回数をチームで振り返る。そこで、広げるかを決めます。

当社では、MindScaleの他に、休む場所の環境づくりや福利厚生についても、導入のご相談を承っています。センターの事情に合わせて、どれを、どの順で入れるかを、一緒に考えます。

仕事の外の時間まで含めて支えたいなら、健康づくりの福利厚生の記事も併せてどうぞ。

出典

1. 厚生労働省(2026年8月) https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r07-46-50_gaikyo.pdf

2. 厚生労働省(2026年7月) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74476.html

3. 同上 別添資料 https://www.mhlw.go.jp/content/11402000/001723467.pdf

4. 大阪労働局 https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/koyou_kintou/hourei_seido/_122470.html


オペレーターの休憩の取り方を見直したい、コールセンターの運営責任者の方へ

コールセンターでの使い方の例を見る

導入について、まずは相談してみる

ロンジェビティクリエイター長く働き、長く遊べる人生を、共創でつくる。
お問い合わせ